今市隆二さんに心臓掴まれた話(長い)

あなたは今市隆二さんを知っているだろうか。今市さんは三代目J Soul Brothersツインボーカルのひとりだ。

 

9月のある日、姉がわたしにこう言った。

「はせ、HiGH&LOW(以下ハイロー)を見るといい」

こういう風に気軽に、いいなと感じた作品を勧め合うのは割と日常的なことで、わたしは見る見る~と二つ返事で頷いた。

 

わたしも姉も好きなものが多いオタクで、アニメや漫画やゲームが好きだし、ジャニーズやハロプロのアイドルが好きだし、ここ数年一番せっせと通ったりしているのは、最近流行りの若手舞台俳優が出ている舞台だ。

好きなものはいくらあってもいいと思っていて、時間とお金に余裕があればヒョイっと現場に行ってみたりする。

軽率な方のオタクだ。しかも割と。

 

姉とは普段同室で過ごしている。

8月の終わりから数日、好きな舞台の新作を観に姉は兵庫から東京へと旅立っていった。その期間を悠悠自適に過ごし、9/3に帰宅した姉を迎えたわたしに彼女は「HiGH&LOW THE MOVIE」を見たことを告げた。

 

 「HiGH&LOW THE MOVIE」はハイローシリーズの映画一作目だ。

わたしはドラマや映画にはあまり手を出していないが、その存在は知っていた。窪田正孝くんがいいらしい。最新作の映画にはわたしが見知った若手舞台俳優が何人か出ているらしい。それから、わたしは全てではないなりに特撮も見ていて、仮面ライダー鎧武で主人公を演じていた佐野岳くんが頑張っているらしい。

元々それらの理由から新作の映画を観たい気持ちがあった。でも詳しい友人が言うにはドラマが2シーズンあって?映画も今作より前に2つ?ハードルが高い。そう感じて結局観ないまま。

 

姉は帰宅後dTVに登録し、ドラマHiGH&LOWを一気見していた。そして2日後の9/5夜。ハイローに片足突っ込んだ女の顔をして、わたしにハイローを見ることを勧めた。

二つ返事で応えたわたしの横で姉がハイローのドラマ1期1話を再生する。ところでハイローってどんなんだろうか。実際、そこからわかってない。やんちゃな男の子たちの抗争?ごくせんみたいなものかな?いやたぶん違う。いい声で流れる冒頭の説明を聞きながらそんなことをぼんやり考える。

 

それから3日かけて映画まで一気見した。

端折るが、ハイローはとても楽しく見た。愉快なコンテンツだった。なんといってもお金がかかっている。お金をかければいいということはないが、お金がかかっているものはできることも多い。ハイローは、お金がかかっていてすごい。すごいお金がかかっている。たのしい。そして顔がいい。キジ―ちゃんがかわいい。

 

にわか知識で、ハイローにはEXILE系の人たちがたくさん出ると知っていた。

しかしこの時点でのわたしのEXILEの知識と言えば、EXILEって…チューチュートレインで…ATSUSHIさんとか…TAKAHIROさんとか…くらいのものだ。それから、ジャニーズが好きなため、藤井姉妹のことは知っていた。

どちらかといえば男臭い感じが苦手だった。ジャニーズとか若手俳優にはあまりない感じ。

ハイローにも系列の方がたくさん出ていたようだが、正直TAKAHIROさんと、仮面ライダーエグゼイドに出ていた小野塚勇人くんしか知らなかった。あとの人はサッパリわからない。ちょこちょこ知っている俳優さん以外は、全員EXILE系列の人にも見えるし、全員関係なくも見える。わからない。姉もわたしと同じくらいの知識でしかないため、わからないままハイローを見終わった。あぁ楽しかった。

 

新作映画をいつ観に行こうかと考えていると、姉が今度はLIVE映像を見始めた。聞くと「HiGH&LOW THE LIVE」とのこと。

チラッと見たところハイローというよりはハイローの曲も歌うEXILE系列のLIVEという印象。なるほどジャニーズでいうところの年越しコンサート、ハロプロでいうところのハロコンか。と勝手に納得する。

一週間が経過しても、姉は相変わらず「HiGH&LOW THE LIVE」を見ている。わたしと姉は普段から購入したLIVEのDVDをBGMのようにエンドレスリピートしてるので、それと同じだなと思っていた。

 

9/16になった。3連休の初日、わたしは仕事だった。18時頃になって帰宅すると、姉がわたしのPCで「HiGH&LOW THE LIVE」を見ている。なんとなく、ぼんやりとではあるが、わたしも一緒に見てみることにした。

この数日である程度の知識を手に入れた姉が横から説明してくれる。「このひとはコブラさんだよ」「この人はロッキーさんだよ」なるほど。なるほど。と聞いていたが、正直わからない。当たり前だがハイローに出てる状態とは髪型も服装も違う。わ、わからない…。

 

わからないことは続く。待って、EXILEって、EXILEじゃないの?TRIBEってなに?いろんなグループがあるのは知ってたけど、EXILEとは別なんじゃないの?TRIBEってなに?あと「三代目」ってなに。

親切な方がツイッターにあげてくださったわかりやすい彼らの相関図を見ながら、姉はわたしの質問に答えてくれる。

しかしわからない。唯一わかるのは「三代目」ってところにコブラさんがいるということだけ。コブラさん。コブラさん。コブラさんはわかる。わかるのでコブラさんが映ると嬉しい。コブラさんだ!と声を上げて喜ぶ。

 

OPが終わって、「三代目」の人たちのターンになった。

「三代目」にはボーカルが2名いて、わたしが知っているEXILEと同じだなと思った。片方は雨宮兄弟の広斗だと教わって、なるほど確かにそうかもしれないと気付く。顔面が彫刻のようですね。それからこれはダンさんだ。ダンさんじゃないか!ICEもいる!このグループは知っている人が多いぞ!

ツインボーカルのもう一人の方はなんかたぶん音楽番組とかで見たことがある。このなんかサングラスで髭を生やしている顔に見覚えがある気がする。歌が上手い。

 

わからないなりに楽しんで見ていた。途中山王とかロッキーさんとか出てきて嬉しくなった。TRIBEってなんなのか教えてもらった。LDHという芸能事務所を知った。

LIVEは終盤戦に入り、TRIBEの人たちが歌って踊っている。わかる人が増えたので最初よりも楽しい。しかしわかるはずのサングラスで髭の人がいない。せっかく履修したのにいない。あの人はTRIBEではないのかと姉に問う。

 

「いやいる。サングラス取っただけ」

 

簡潔でわかりやすい返答だった。

姉は「特徴的な声だからきっとすぐわかるようになるよ」と言い、次にその人が映ったときにこの人だよと教えてくれた。おや、サングラスを外すと意外にかわいらしい顔をしているんだな。これは顔のかわいらしさを髭とかでちょっと誤魔化そうとしているタイプの人では?と勝手に想像する。

わかるようになったので、その人が映ると先ほどのコブラさんよろしく「あ、髭の人~~」と口にする。 某アイドルたちの年越しコンやハロコンに比べて、そこまでメインの人数が多くないので割と何度も映る。髭の人は楽しそうだ。いいことだ。

 

悠長に構えていた。先に書いた通りLDHに苦手意識を持っていたのもあって、その印象はだいぶ薄れたものの、ハマることはないな~なんて考えて、ふわ~っと楽しんでいた。

忘れていた。自分はハマるときはいつも、転げ落ちるなんてもんじゃなく、急転直下。真っ逆さまにブチ落とされるということを。

 

髭の人が目一杯に笑った。微笑むとかじゃなく、目元がくしゃっとなって、白い歯を見せて笑った。

 

心臓がギリギリッとした。

一体どうしたことか。頭の中が先ほどの笑顔でいっぱいになる。これは?いや、むしろ今のは誰か。LIVEの冒頭「三代目」としてパフォーマンスをしていた彼は、どちらかというとサングラスや魅せ方で高圧的な印象さえ受けた。が、これはどうしたことか。今のはなんだ。幻でもみたのか。

混乱している間にまた満面の笑顔の彼が映る。くしゃくしゃ。ヒィ、たのむ、もうやめてくれ。心臓がつぶれる。

胸を押さえながらなんとかLIVEの終演を見届ける。姉にあの人は誰かと問うと、ハイローに出ていない彼を、あの親切な方がツイッターにあげてくださったわかりやすい相関図から探してくれる。

わかりやすい相関図にはこうある。

 

「笑顔がかわいい」

 

わかる。

 

名を今市隆二さんというらしい。いまいちりゅうじさん。いまいちりゅうじさん。名前までかわいいとはどうしたことか。

 

姉は岩ちゃんさんや登坂さんに興味を持っていた。dTVには他に三代目J Soul BrothersのMVやLIVE映像もあった。残りの連休の過ごし方が決まった。

寝てるとき、ご飯を食べてるとき以外は三代目J Soul Brothersの映像を見ていた。dTVはすごい。ありがとうdTV。

ただし問題があった。MVはさておき、LIVE映像でも彼らはあまりメンバー同士でわちゃわちゃしない。オタクはメンバー同士のわちゃわちゃが好きだ。間違いない。例に漏れずわたしも好きだ。しかしわちゃわちゃしない。

見ていればわかるが、彼らにはすることが多い。ずっと歌ってるしずっと踊っている。そうでなければ移動している。わちゃわちゃしている暇などない。わかる。でも見たい。

 

過去のバラエティの映像を検索してみた。あんまり出てこない。出ていないのか、管理的なことなのかはわからないが、わちゃわちゃには辿り着けない。辛い。

 

17日夜、彼らがツアーで大阪にいることを知った。

わちゃわちゃしているのが見たい。配信されているLIVE映像にはMCなどはないが、現場ならMCでわいわい喋る姿が見られるのかもしれない。見たい。

 

9月19日。わたしは京セラドームにいた。親切な方に譲っていただいたチケットと購入したフラッグを握り締めて座席についた。

席はステージ真横の上段で、決していい席とは言えなかったが、入れただけで十分だった。現場はいい。例え今日わちゃわちゃが見られなくても、現場に勝るものはない。現場だからこそ気づくこともある。冷静になれたりする。

この時点で三代目J Soul Brothersを知ってから3日後のことだった。頭が馬鹿になっていて、チケットを譲っていただくまで時間の感覚をすっかり失っていたが、思えば3日しか経っていなかった。(でも感覚があったとしても、このタイミングで自分がよく行く会場で彼らがLIVEしていると聞いて、行かないという選択を取ったとは思えない…)

 

LIVEについては詳しく書かないけど、楽しかった。ステージ横ということであんまり顔が見えなくて、めちゃくちゃ残念だったけど、その分動きに集中したり歌を聞くことにした。思っていたよりも声が高い。かわいい。動きもかわいい。つまりすごくかわいい。

アイドルのコンサートに慣れているせいで最初は違いに戸惑ったりした。でも最終的にとても楽しかった。帰り道、しみじみとその気持ちが湧いてくる。

楽しかった。かわいかった。

 

帰宅して、三代目J Soul BrothersのLIVEのチケットの取り方を検索してみた。いろいろある。いろいろすぎて、全然わからない。でもとりあえずこのファンクラブ?が最速先行なんだねオッケー!

入会した。

 

終わってしまったと寂しくなった。12月の大阪公演も見に行きたいが、一旦はここでわたしが今できることは粗方してしまった。後はMVを見たり曲を聞いて、まだあまり覚えられていない曲を履修することか。そう思っていた。

 

今日、仕事中にEXILE chというものがあることを知った。即登録した。まさか…?と思いながら、一番過去の舞台裏映像から再生してみた。

 

わたしが求めていたものはそこにあった。

 

これがすっっっごいコンテンツで、本当にすごい。わちゃわちゃしている。楽しそうにメンバー同士で笑っている。ポッキーを食べている。プリッツを食べている。多幸感がハンパない。すごい。まだちょっとしか見てないけど、映る今市さん全部ニコニコしてる。すごいめっちゃかわいいあたまおかしくなりそう心臓痛い。

 

まだわたしにはこの映像が残っている。考えたら、ハイローの新作も観ていない。まだまだ新しいものを楽しむことができる。未来は明るい。うれしい。

 

全然知らなかったし、むしろ苦手意識さえ持っていたのに、あの瞬間笑顔ひとつで心臓を鷲掴みにされてしまった。新しい扉を開いてしまった。

好きなものばかりの人生にまたひとつ好きなものができて、楽しみが増えた。ありがとうハイロー。ありがとう三代目J Soul Brothers。ありがとう今市さん。ついでに姉もありがとう。

今市さんの笑顔は世界をハッピーにすると思います。

 

最後作文みたいになったけど、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。EXILE ch見ます!

 

 

2017/9/20 はせがわ